ヘミングウェイが愛したキューバと時計-クエルボ・イ・ソブリノス-

「旅の先に終わりがあるのは良いことだ。しかし、結局重要なのは旅である」

-アメリカ作家アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)-

 

20世紀を駆け抜け、多くの著書を残してきたヘミングウェイ。実体験を基に作り上げられた作品は力強さが感じられ、後の小説作家たちにも大きな影響を与えたことで知られています。

 

そんな彼の人生に大きな変化をもたらしたのがキューバであり、腕時計ブランドのクエルボ・イ・ソブリノスです。

 

今回はヘミングウェイの人物像と共に、彼が愛したキューバと時計にまつわる話をご紹介いたします。

 

 

偉人が名を連ねた腕時計ブランド「クエルボ・イ・ソブリノス」との出会い

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ヘミングウェイは晩年キューバに移住し、執筆活動を行っていました。そこで愛する腕時計との出会いを果たします。それが「クエルボ・イ・ソブリノス」です。

 

カリブ海の真珠と呼ばれたキューバの地で創業し「スイスのハートにキューバのスピリット」というフレーズで知られています。

 

そんなクエルボ・イ・ソブリノスの腕時計は「ゆっくり流れる時が豊かなライフスタイルを生み出す」という考えを表現したデザインが特徴的。中でもブランドアイコンのプロミネンテはユーモア溢れるシリーズの1つ。独創的な文字盤、個性が光るスクエアケース、光沢があり高級感漂うベルトから成る1本は大人の貫禄と遊び心を併せ持ちます。

 

そんなクエルボ・イ・ソブリノスの旧店舗に眠っていた顧客名簿には、元英国首相ウィンストン・チャーチルや物理学者のアルベルト・アインシュタインなど多くの偉人名が記されていました。もちろんヘミングウェイもその1人です。

 

アウトドアやなどアグレッシブな行動を好み、独創的な感性を持ったヘミングウェイの人生と重なるブランドコンセプトがクエルボ・イ・ソブリノスを愛した理由なのかもしれません。

 

 

安息を求めキューバに辿り着いたヘミングウェイ

キューバ ヘミングウェイ が長く住み愛したコヒマルの海岸

北米、ヨーロッパを転々と移住しながら作家活動を続けた行動派のヘミングウェイ。

 

1899年にアメリカのイリノイ州で生を授かり、釣りや狩猟にボクシングなどを好む医師の父から多大な影響を受け生涯アウトドアをこよなく愛していました。

 

作家になる前はフリー記者、第一次世界大戦時には従軍としてイタリア戦線に赴き、そこでは瀕死の重傷を負い死の淵に立たされることに。また1930年には国際旅団への参加でスペイン戦線に関わるなど行動派であったことがわかります。

 

しかし、こうした生活は心身への負担が大きくいつまでも続けることはできないものです。その時、安息の地として移住したのが栄華を極めた1940年当時のキューバでした。

 

自然に囲まれ、ノスタルジックな街並みは疲弊した体をゆっくり休めるには十分だったのです。作家として活動を続けながら趣味も満喫。彼が生きた約3分の1にあたる22年間を過ごし、この地で生涯に幕を閉じたことからもいかにキューバを愛していたかが読み取れます。

 

 

「老人と海」から読み解くヘミングウェイの人生観

キューバ ヘミングウェイ が長く住み愛したコヒマルの海岸

生涯最後の傑作と称される「老人と海」はヘミングウェイの人生観の変化が垣間見える作品です。

 

例えば青年期の「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」などは戦時中の実体験が色濃く反映されています。勝利へのこだわり、恋愛模様や仲間との繋がりを躍動的に描いた主人公が特徴的です。

 

一方で晩年期の「老人と海」は日本人漁師から釣りの技術を教わったことや、ハバナで出会った漁師の老人から着想を得ています。主人公も孤独な老人という点からしても何かしらの変化を感じずにはいられません。

 

ストーリーの内容は、人生の中で様々なものを失い漁師生活も終わりを迎えようとしている老人は漁に出かけ巨大なマカジキと対峙します。4日間にわたる闘いの末にカジキを仕留め、自分の精神と肉体にも打ち勝ちハッピーエンドを迎えるはずでしたが結末は違いました。

 

釣り上げたカジキを狙ったサメが現れ、なす術なく残った骨だけを持ち帰ることに。しかし、そこにはかつての弟子が自分を心配し待っていました。その姿を見た老人の心にはカジキを釣り上げられなかった敗北感ではなく充足感が溢れていたというものです。

 

この作品はキューバの地がヘミングウェイに新たな人生観を芽生えさせたように感じられます。様々なものを失い老いていく人生の中で自分は何をして生きてきたのか。また必ずしも欲望を手に入れることだけが幸せではないことを人間味溢れる主人公を通して読者に伝えたかったのかもしれません。

 

 

現代人に足りないクエルボ・イ・ソブリノスの想い

キューバの街並みとキューバ国旗

人は誰一人として同じ思考、行動を持ち合わせていません。それは当然のことであり、この考え方ができれば人生に楽しさを見いだせるようになるでしょう。

 

しかし、慌ただしい現代社会においてこうした当たり前を考える時間もないのが現状です。

かつてのヘミングウェイもそうでした。ただキューバに移住し様々なことに触れたことで、人生は結果だけではなくプロセスこそ自分の本質であることを説いています。

 

それは彼が残した言葉「「誰の人生も同じように終わる。人を他の人と区別するのは、いかに生きたか、いかに死んだか、その内容だけだ」からも読み解けるでしょう。

 

この考えは彼が愛した時計ブランドのクエルボ・イ・ソブリノスが掲げる「ゆっくり流れる時が豊かなライフスタイルを生み出す」という想いと重なります。個性的で誰とも違う自分を貫いて生きた偉人に愛された所以ではないかと思えてなりません。

 

人物の生き様や歴史に敬意を払ったプロミネンテやヒストリアドールをはじめとする様々なシリーズを展開するクエルボ・イ・ソブリノスの時計。現代社会で自分を見つけられない人にこそぜひ手に取ってもらいたいと願うばかりです。

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