かつて世界の偉人たちが愛用していた“時計ブランド”をどのくらいご存知でしょうか。

相対性理論で知られる物理学者のアルベルト・アインシュタイン、行動派の作家で「老人と海」で有名なヘミングウェイ、歴史上もっとも偉大なイギリス人と称されたウィンストン・チャーチルなど、世界の偉人たちにクエルボ・イ・ソブリノスは愛されてきました。
このコラムではクエルボ・イ・ソブリノスの歴史を紹介するとともに、顧客リストに名を連ねていた多くの偉人たちをご紹介します。
 
 

クエルボ・イ・ソブリノスの歴史

1882年、ラモン・イ・クエルボによって創業された高級宝飾店『La Casa』がアルマンド・リオ・クエルボを含む甥達によって事業を拡大し、クエルボ・イ・ソブリノスの前身となりました。

ハバナの繁華街で開業以降、数々の著名人がハバナを訪れる際にはクエルボ・イ・ソブリノスのブティックに集まるのが常でありました。
クエルボ・イ・ソブリノスは1940年代には最盛期を迎え、「ロレックス」「パテック・フィリップ」「ロンジン」等のブランドと提携し、いくつもの作品を創り出してきました。

しかしながら、1959年に発生したキューバ革命の煽りを受け、歴史の表舞台から姿を消すことになります。

幻となったクエルボ・イ・ソブリノスは姿を消してから40年後、2000年代に奇跡の再興を成し遂げ、再び歴史の表舞台へと舞い戻ってきました。
その復活はキューバの伝説の復活をも意味します。

キューバのスピリットを受け継いだ個性的なディテールと、スイス時計ならではの高品質で、高級時計界において異彩を放つ存在として君臨しています。
 
 

顧客リストに記された歴史的偉人たち

『La Casa』の地下金庫に眠っていた顧客名簿には歴史的偉人たちの名が連ねていました。
その中から物理学者のアインシュタイン、作家のヘミングウェイ、元英国首相のチャーチルをご紹介します。
 
 

1.相対性理論を発見した偉人、アルベルト・アインシュタイン

物理学者の偉人アルベルト・アインシュタイン。
彼と時計には、実は深い繋がりがあります。

彼は、スイスの首都ベルンの旧市街地で、バス乗車中に見かけた「ツィットグロッゲ」と呼ばれる時計塔の時針が、”一瞬止まって見えた”ことから「相対性理論」を着想にするに至りました。

その後、1905年には26歳の若さで「相対性理論」を含む、5つの論文を立て続けに発表し、物理学会を大きく揺るがしていきます。
彼の功績は物理学の域を超え、現代においてもカーナビのGPS通信などの製品に応用されて、私たちの生活を支えているのです。

そんな彼の腕時計と言えば、有名時計ブランドの一つ「ロンジン」ですが、クエルボ・イ・ソブリノスの顧客リストには、彼の名前も刻まれていました。
新たな”時間の概念”を創り出した彼が、人知れず愛していたキューバの時計ブランドこそ、このクエルボ・イ・ソブリノスです。
 
 

2.ノーベル文学賞作家の一人、アーネスト・ヘミングウェイ

小説家のアーネスト・ヘミングウェイは、クエルボ・イ・ソブリノスが最盛期を迎えた頃、キューバへと移住してきます。

彼の従軍経験を活かした小説作品の数々は、「行動派」として評価され、ハリウッド映画への素材提供、キューバ移住後に執筆された1954年の「老人と海」ではノーベル文学賞を受賞するなど、文学界の歴史に功績を残しました。

ヘミングウェイは、移住後にキューバで知り合った日本人の漁師から釣りを教わり、ハバナで出会った老人の漁師と親交を深めて「老人と海」の着想に至ったとされています。

彼の最も著名な作品を産み出し、そして死去に至るまでの約20年間をキューバで過ごす中で、クエルボ・イ・ソブリノスを訪れており、彼もまた顧客名簿に名を刻んでいます。
 

3.元英国首相、ウィンストン・チャーチル

歴史上最も偉大なイギリス人として有名な元イギリス首相のウィンストン・チャーチル。
彼もまた、クエルボ・イ・ソブリノスを愛した著名人の一人です。

2013年には、同ブランドから彼の名を冠した「ロブスト チャーチル」という世界200本限定モデルが発売されていることからも、強い結び付きが伺えます。

この「ロブスト チャーチル」という名前は、現代で葉巻の名称として主に使われており、チャーチルが葉巻の愛好家だったことに由来しているようです。

また、チャーチルの名前と、彼が愛した葉巻の名称を掛け合わせたダブルネームの時計は、懐中時計に使われるレバーシステムを採用したユニークなものに仕上がっています。

これは、チャーチルが懐中時計を愛用していたことを意識しており、彼の嗜好を理解しているクエルボ・イ・ソブリノスならではの逸品です。
キューバの名産品である葉巻とも重なり、チャーチル氏への畏敬の念が込められた時計になっています。
 
 

まとめ

今回はクエルボ・イ・ソブリノスの歴史と顧客リストに記された歴史的偉人たちをご紹介しました。
身に着ける時計のブランドの歴史や生まれた背景なども知ってみると、より愛着をもって使用できるのではないでしょうか。
歴史ある“時計ブランド”クエルボ・イ・ソブリノスをぜひ、一度体感してみてください。